年々増加しているお泊りデイの改善すべき問題点は?

お泊まりデイサービスのスタッフになろう

改善が必要な点も

改善が必要な点も

ガイドラインが守られていない

お泊りデイの需要の高さを受けて、2015年に厚生労働省が運営や人員基準、設備基準や安全基準に関するガイドラインを発表しました。しかし、残念ながらこのガイドラインはあまり守られていません。お泊りデイは介護保険の対象外のため「気軽に利用できるが高額なのではないか」と利用料金について不安に思う人も多くいます。そのため、利用しやすいように価格を抑えている施設もありますが、採算をとるために無理な労働を強いるなどスタッフにしわ寄せがいっています。
実際にお泊りデイを行っている施設では、「夜間スタッフの人数が少なく、複数人を1人で見ているため休憩がとれない」「夜勤ではなく宿直扱いになっているため、最低賃金以下になることがある」といった悩みを持っているスタッフも多いようです。

高齢者の安全が確保されていない

お泊りデイは介護保険の対象外のため、低価格でお泊りデイを実施するためにはスタッフの人員を最低限に抑える必要があります。少ない人数で満足のいく介護サービスを提供することは難しいため、高齢者の安全が確保されているとは言い難い状況です。たとえば、夜勤スタッフが1人しかいなくて手が回らず骨折を伴うような転倒事故が起きてしまったり、認知症の方が施設を飛び出してしまったり、など重大な介護事故につながってしまう危険があります。さらに、過酷な労働環境から高齢者の方につらく当たって虐待に発展してしまう可能性もあります。
また、お泊りデイを利用している方の中には要介護度が高い方もいらっしゃいます。しかし、スタッフが1人で夜勤を行っているため、トイレの介助やオムツ交換をするのが精一杯で何かあっても対応できない、といった問題もあります。お泊りデイを行っている施設の中には、スタッフが1人で夜勤時にサービスの質を落とさず緊急時にも対応するには2人~3人だとして、夜間スタッフの人数を増やしている施設もあります。

環境が整備されていない

ガイドラインでお泊りデイにおける部屋の広さなどの設備基準が設けられましたが、デイサービスでは基本的に宿泊機能を備えていません。宿泊専用の部屋がない場合は男女を同じ部屋に宿泊させたり、食堂にベッドや布団を敷いて宿泊させたりするところもあるようです。プライバシーも確保されていないため、安全に安心して利用できるとは言えません。中には劣悪な環境でサービスを提供している悪徳業者もいるので注意が必要です。お泊りデイの現状について記載されている記事を紹介するので目を通してみてください。

長期滞在の高齢者への対応

介護保険の対象外であるお泊りデイは宿泊の上限が厳密に定められているわけではありません。そのため、中には長期間宿泊している人もいますが、お泊りデイは緊急時や短期間で利用するサービスです。もし、介護している家族が病気で介護ができないなどやむを得ない事情でお泊りデイを長期的に利用しなければならない場合は、他の介護保険サービスに変更することを検討しましょう。

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需要が高まっている理由
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在宅介護を行っている人にとって、気軽に利用できるお泊りデイはいざというときの心強い味方です。介護を受ける要介護者にも負担はほとんどありません。自宅から施設まで移動する必要はありますが、割安で利用できるショートステイよりも慣れた環境で過ごせるお泊りデイを好む人もたくさんいます。