近年増加しているお泊りデイ
お泊りデイとは?
いざというときに便利なお泊りデイは年々需要が高まっています。なぜなら、特別養護老人ホームやショートステイなど宿泊できる施設はあるものの、予約で一杯で空きがないためいざというときに気軽に利用できないからです。お泊りデイは介護保険の対象外のため、以前はサービス内容やスタッフの数、防火対策などは各施設に一任されていました。安心して利用できるとは言い難い状態だったため、2015年に厚生労働省がお泊りデイの運営基準について定めたガイドラインを発表して環境整備に向けて動いています。
ショートステイとの違い
ショートステイとは短期間施設に入所できるサービスのことです。介護保険の対象なので、手頃な料金で十分な介護サービスを受けることができます。ショートステイは在宅で介護している人が不在にするときや体調を崩したときなどに利用できるサービスですが、安い料金で十分なサービスが受けられるとあって非常に人気が高くなっています。常に予約が一杯なため、急な用事などイレギュラーな事態には対応できません。また、4日以上利用する場合はケアマネジャーがケアプランを作成する必要があります。
需要が高まっている理由
お泊りデイが増加した背景には少子高齢化で家族の形が多様化してきたことが関係しています。子ども世帯と同居している高齢者の数が減り、夫婦2人暮らしも珍しくありません。ですが、そうなると、お互いに介護し合ったり、平均寿命が延びて子ども自身も高齢者となりながら親の介護をしたりといった老々介護が増えてくるため、体力的にも厳しくなってしまいます。在宅介護を続けていくためには適度な休息が必要なため、予約が必要なショートステイよりも融通が利くお泊りデイの方が利用しやすいとして、需要が高まっているのです。
改善が必要な点も
融通が利いて利用しやすいとして需要が高まっているお泊りデイですが、改善しなければいけない問題もあります。お泊りデイは介護保険の対象外です。高額になるのではないかと不安に思っている人も少なくありませんが、実はそれほど高額なわけではありません。しかし、料金を抑える代わりに無理な労働を強いるなどスタッフにしわ寄せがいっているため労働環境に悩んでいる人もいますし、少ないスタッフでサービスを提供しなければならず利用者の安全が確保されているとは言い切れない、といった問題もあります。